ちょっと未来の日本。東京江戸川区の消火器工場で働くフジオとミツオは、暇さえあれば柔術の練習に明け暮れていた。ある日ちょっとした諍いで、本社の社 員を消火器で殴り殺してしまったフジオ。そこでふたりは、死体を粗大ゴミや産業廃棄物や死体も埋まっている通称“黒富士”に埋めにいく。しかし、黒富士で は埋められた死体がゾンビになり、続々とよみがえっていた…。
花くまゆうさく著『東京ゾンビ』を浅野忠信(フジオ)哀川翔(ミツオ)主演で映画化。ゾンビがよみがえるくだりはホラーだが、トボけたフジオとミツオの キャラクターとゆるーいギャグを仕込んだ演出のおかけで、ドタバタともいえず、シュールにもなりきれない、この映画だけが持つ、独特のテンポの珍ホラーコ メディーになった。自然体で役に溶け込んでいく浅野の個性はあいかわらず秀逸だが、コンビを組む哀川翔は、これまでのイメージを一蹴。コントのようなハゲ カツラと終始テンション高い芝居で、映画を盛り上げている。脚本家兼役者として活躍している佐藤佐吉の長編監督デビュー作。(斎藤 香)
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