「EX MACHINA」は驚くほど手間のかかった作品だ。まず3DCGでキャラクター・モデルを作る、次に俳優に演技をさせ、その動きをモーションキャプチャー でデータ化する。そして、声優にアフレコで声をつけ、それらの素材にあわせて3DCGのモデルを動かしていく。背景もまた3DCG。ゆえに実写を撮影する ときのように、カメラアングルを決め、カメラを動かすことができる。そして、実写でもなく、アニメでもない「見たことのない映像」が生まれるのだ。まさし く3DCGアニメの最先端にして頂点。本作を見ると、その可能性の一端を肌で感じることができるだろう。おそらく今後のアニメは3DCGと手描き(2D) が特殊に融合していくことになる。21世紀のアニメを占うための試金石とも言うべきメイキング映像集。本編のストーリーよりも、その映像作りの秘密を知り たい人におススメしたい。(志田英邦)