[テレビドラマ] 1リットルの涙 全11話 (沢尻エリカ/薬師丸ひろ子/錦戸亮/TVRip/MKV/13.75GB)
15歳で原因不明の難病を発病しながらも、ひたむきに生きていこうとしたヒロインの姿を描いた実話をドラマ化した感動ストーリー。晴れて志望していた明和台東高校に入学した亜矢(沢尻エリカ)はクラス委員に選ばれ、バスケ部にも入部し、希望に満ちた高校生活を送り始める。その矢先、登校の朝に足がもつれて転倒してしまう亜矢。倒れ方の不自然さを心配して亜矢に診察を受けされた母・潮香(薬師丸ひろ子)は、神経内科医・水野(藤木直人)から亜矢が治療法の見つかっていない脊髄小脳変性症に侵されていることを告げられる。潮香は亜矢へ告知すべきか心を痛めるが、ふらつきや物との距離感がつかめなくなったりといった自覚症状を、亜矢はすでに感じ始めていた。
亜矢の体の自由が次第に奪われていく過程はあまりにも過酷で、涙なしには先を見進められない。ただ、亜矢を温かく支える家族、最善を尽くす担当医師、誠実に見守る友人たちのそれぞれも丁寧に描かれており、亜矢の境遇は悲しいだけの物語には紡がれていない。残酷な運命に折れることなく、人の役に立ちたいと願い続ける亜矢の生き様はとても力強く、見るものは勇気を与えられるだろう。原作にはない遥斗(錦戸亮)との恋愛のパートも、ドラマの誠実さを損なわせることがないあたりにも好感が持てるところ。亜矢役の沢尻エリカの熱演も心に残るが、母・潮香を演じた薬師丸ひろ子の包容力のある名演はこのドラマをいっそう志の高いものとして輝かせている。 (麻生結一)