在日朝鮮人青年と日本人少女との恋愛を描いた小説を映画化したもの。
主人公は在日朝鮮人ではあるが、在日朝鮮人の人権の問題が告発されるような映画ではなく、むしろ純粋な恋愛映画という印象である。だが、映画としては全体的に説明が足りない印象も受ける。また、密度も薄く、わりと空白のような詩的な映像が続く。もう少し説明的でも良いのではないかと思いながらも、途中睡魔と闘いながら見た。
恋愛映画として見れば、割によくできていて、映像もスッキリしている。これがデビュー作の南果歩も清純で、映画の雰囲気によく合っている。実は公開当時スチール写真を見て恋愛映画かとも思ったんだが、主人公が在日朝鮮人という話を聞いて、メッセージ色の強い映画であるとばかり思い込んでいたのだ(どうやら原作はそのようだが)。