2003年の結成以来、ハードコア、ニューウェーブをベースにした雑多なオルタナティブサウンドで精力的に活動してきたthe mornings(ザ・モーニングス)。共演、場所を選ばすライブハウスを沸かしてきた彼らが、結成10年を機に今まで培ってきたものを一度リセットし、新たなフェイズに突入しようとストラグルを開始。ベーシストの脱退などを経てついに完成したのが、3年半ぶりの2ndアルバムとなる「idea pattern」である。
これまでライブでの爆発やハプニング性が話題になりがちだったが、音楽そのものの深化にフォーカスし、大胆なシンセサウンドの導入、緻密なリズムの構築、浮遊感のあるコーラスワークなど、今までにない音楽的な挑戦がいたるところに散りばめられている。 「VSCOM」の複雑怪奇な変拍子、体を震わすシンセベースから始まる「ケチャンゲリオン」、鳴っている音が全て有機的に絡まって次々と展開していく「キラーサーカス」などは、新しいthe morningsの始まりを高らかに宣言している。
今作でベースを弾くのは溝渕匠良(ex-SuiseiNoboAz)。単なるサポートに留まらず、卓越したプレイで曲の根幹を支えている。ミックスはGOTH-TRAD、マスタリングは中村宗一郎。二人の名匠の手によってサウンドの暴力性は増幅され、聴く者の身体に直接干渉する仕上がりになった。
現状維持を拒む意志と、様々な出会いによって生まれたオルタナティブミュージック。混沌の2014年、このアルバムともにthe morningsはシーンを掻き回す。
1. fuji
2. 最近のアメリカ人
3. VSCOM
4. B/S/D BLADE
5. ケチャンゲリオン
6. グリーンメタル
7. お腹の痛い敵
8. キラーサーカス
9. ベースは森